ドイツ語・英語の翻訳による特許明細書

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弊所は50年ほど前からドイツクライアントから特許出願の依頼を多数頂いています。

ドイツの特許出願人が日本で特許を取得する際、大抵の場合は特許出願人は、ドイツ特許庁や欧州特許庁に先ずドイツ語で書かれた特許明細書を提出しています。

その後、日本でこの特許を出願してほしいという依頼があるので、結局我々はドイツ語の特許明細書を日本語に翻訳する必要があります。ただ、ドイツ語の特許明細書だけでなく英語の特許明細書が存在する場合も多く、その場合、ドイツ語又は英語を日本語に翻訳することになります。

ドイツ語を日本語に翻訳するとなると、かなりの語学力が必要となりますが、英語ならさほどでもないと思われるかもしれません。しかし、この英語、元々のドイツ語を英語に翻訳したものなので、普通の英語ではなく、「クセ」が強いため一筋縄ではいきません。また、翻訳の場合、外国語ながら特許明細書は既に完成しており、それを丁寧に日本語に翻訳すればよいため、楽なので慣れてくると油断しがちです。

先日翻訳した英語の特許明細書に出てきた単語に、「assembly」というものがありました。「assembly」と言えば、複数の部品から成る1つの完成品というイメージがあり、そのまま「アセンブリ」と訳したり、「組立部品」などと言ったりします。しかし、この「アセンブリ」が、明細書に出てくる具体例(実施形態という)といまいち一致せず、なんとなく違和感を抱えたまま訳し進めていました。あるとき、何気なく原語であるドイツ語を見たところ、「assembly」に対応する単語は「Anordnung」でした。「Anordnung」はしばしば「arrangement(装置)」と訳される単語のため、結局、「assembly」という英訳を無視して、「Anordnung」には「装置」という訳語を当てることにしました。

なぜ、(ドイツ語→英語の)翻訳者が「Anordnung」を「assembly」と訳したのか分からず、また「assembly」と明示されているのに「装置」という訳語を当てることに抵抗もありましたが、まあ原語を確認して良かったという事例でした。

結局、原語であるドイツ語を直接日本語に翻訳する場合は間違いないものの、ドイツ語→英語→日本語の翻訳の場合、原語のドイツ語に遡って確認する必要もあり、二重に大変で、何よりやっぱり油断できないのが翻訳という作業なのでした。

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