からまないハンガーで小学4年生の女の子が特許取得

小学4年生の女の子が「からまないハンガー」を発明し、晴れて特許になったそうです。どんなハンガーかと言うと、ハンガーに付けるクリップを薄型のシリコーン製にし、磁石を取り付け、さらにハンガーの上部にもクリップをつけたそうです。これにより、衣服を掛ける肩部分が細いハンガーは、ズボン類を吊るすクリップが他のハンガーと絡まり、取り出しにくかったという問題を解決できました。さらに、片付けるときはハンガー同士が磁石でくっつき、整理整頓しやすくなるそうです。

小学生が特許を取得するというニュースは時々伝えられていますが、自分は特許の仕事に携わりながら特許権は持っておらず、彼らに頭が下がる思いです。

なぜ、彼らに特許発明ができて、自分にはできないのか。その答えは明白です。つまり、彼らは学校生活や家での生活において何か問題に直面したときに、こうすればこの問題を解決できるという経験をしていますが、自分はそういう経験をしていないからです。少し小難しく言えば、その人が或る事柄について問題を認識し、その問題を解決できる工夫をひらめいたことが発明に繋がります。

例えば主婦・主夫の方は、日々直面している料理・掃除・洗濯などの家事やその他の名も無き家事において、様々な不都合を発見しているはずなので、少し余裕があれば、この器具のここを変更すれば問題解決できて、もっと便利になるということに気づくことができます。

或る個人発明家の主婦の方は、日々の暮らしの中で気づいた問題点を解決する発明を複数行い、特許を取得し、その特許を基にこういう商品が作れるので開発してくれないかと企業に自ら売り込みに行きます。そして、その商品が売れた暁にはその販売額の何%かを彼女の取り分とする契約を開発会社と交わします。彼女にとって、発明と特許と権利活用が完全に一つながりなっており、世の中のためになる発明を行うばかりでなく、特許が収入を支える柱となっており、何一つ無駄がありません。

我々弁理士の仕事は、こういった発明を初めて世に送り出すことに貢献できるものであり、嬉しい限りです。

特許権侵害と権利行使について~その1~

旋盤の側面図

時々、特許権者であるクライアントから、自社の特許が他社によって侵害されているあるいは他社が自社製品を製造販売しているので、どうにかならないかと相談を受けることがあります。このような場合、特許権者は自分の特許が侵害されたと信じており、かなり興奮されています。

一般に、他社の製品の製造販売が自社の特許権侵害になるかどうかの判断のために、他社の製品(イ号製品という)と自社の特許権を比較しなければなりません。

あるケースでは、特許権者(Aさん)は、他社(B社)が類似商品を作っていることを発見したため、一刻も早く何とかしなければと思い、事務所に駆け込まれて来ました。しかし、Aさんは、自社の特許権の内容をきちんと把握していませんでした。そこで、Aさんがどんな特許を持っているのかを改めて確認すると、特許を受けたものは或る切削工具であり、請求項1には切削工具に取り付けられた刃先の角度に関する数値限定(具体的には、角度が25°~30°など)が記載されています。このような数値限定を行うことは、本発明と引用文献との違いを明確にするためには有効ですが、つまり進歩性をクリアするためには有効ですが、特許後の権利範囲は狭くなってしまいます。

確かに、B社製の切削工具の外観・見た目は、Aさんの特許明細書の実施形態に開示された具体例の外観・見た目と似ていますが、そもそも比較すべきは実施形態ではなく、特許請求の範囲の請求項1です。

そこで、B社製の工具の刃先の角度を精密な測定器具で測定したところ、その角度はなんと24.9°でした。よって、「25°~30°」の要件を満たさず、権利侵害にはなりません。B社製の切削工具の刃先の角度は、本件特許の権利範囲外となるような、たまたま近い数値だったとも考えられますが、実際は、B社はAさんの特許権の存在を認識していて、特許件侵害を回避するよう刃先の角度を変更したと思われます。

やはり、請求項1で数値限定を行うと他社に特許件侵害を回避され易く、数値限定せずに特許を取ることの重要性を再認識しました。

新型コロナウィルスの治療薬

新型コロナウィルスの治療薬として、「アビガン」という薬が注目されています。

「アビガン」はもともと日本の会社が開発したインフルエンザの治療薬ですが、インフルエンザと性質の似ている新型コロナウィルスにも効くかもしれないということで、治験を飛ばして実際の患者さんに使用されているようです。ただ、「アビガン」は効くかもしれないけど、副作用も大きいという点が難点です。今のところ「アビガン」は市販薬でもないし、市民には入手できない薬のようです。しかし、政府はなるべく早く「アビガン」を患者に使えるようにしようとしています。

一方、「フォイパン」という膵炎や逆流性食道炎の治療薬も新型コロナウィルスに効果があると噂されています。「フォイパン」は、医師の処方箋があれば入手できる薬であり、また特許権の存続期間が満了しているため、そのジェネリック薬品も存在しています。

先日、外国クライアントから「アビガン」と「フォイパン」について我々が入手できるか聞かれました。新型コロナウィルスが既に世界レベルで蔓延しており、同時に、外国の人も高い技術力を誇る日本の製薬会社で開発された薬に注目しています。

最近は毎日都内のコロナウィルスの感染者数が発表されており、その数は減るどころか漸増傾向にあり、収まる気配がありません。昨日はついに政府から非常事態宣言が出されましたが、我々のような特許事務所にとって、在宅勤務と言っても週に一度も出勤しない働き方は不可能だし、そもそも在宅勤務ができない職種の人も大勢いるわけで、そうなると都内へ電車通勤する人も多数います。結局、会社員は、感染の可能性が高まる密閉空間を避けられません。

感染のリスクは電車内に限られず、買い物客でごった返している特に都内のスーパーマーケットも人口密度が高まっています。他の国でも同様かもしれませんが、我々日本人はどうしてこういう時に我先にと必要以上に物を買いだめしてしまうのでしょうか。自分も先日薬局でマスクを探しましたが、店先に「本日入荷分のマスクは完売しました」との表示がありました。なるほど、休日にマスクを買うためには並ぶ必要があるのかと、ましてや平日にマスクを買うことは現役世代にはかなり困難であると、遅ればせながら認識しました。

最悪、感染してしまった場合に備えて、「アビガン」の一日も早い実用化を願っています。

ドイツ語・英語の翻訳による特許明細書

弊所は50年ほど前からドイツクライアントから特許出願の依頼を多数頂いています。

ドイツの特許出願人が日本で特許を取得する際、大抵の場合は特許出願人は、ドイツ特許庁や欧州特許庁に先ずドイツ語で書かれた特許明細書を提出しています。

その後、日本でこの特許を出願してほしいという依頼があるので、結局我々はドイツ語の特許明細書を日本語に翻訳する必要があります。ただ、ドイツ語の特許明細書だけでなく英語の特許明細書が存在する場合も多く、その場合、ドイツ語又は英語を日本語に翻訳することになります。

ドイツ語を日本語に翻訳するとなると、かなりの語学力が必要となりますが、英語ならさほどでもないと思われるかもしれません。しかし、この英語、元々のドイツ語を英語に翻訳したものなので、普通の英語ではなく、「クセ」が強いため一筋縄ではいきません。また、翻訳の場合、外国語ながら特許明細書は既に完成しており、それを丁寧に日本語に翻訳すればよいため、楽なので慣れてくると油断しがちです。

先日翻訳した英語の特許明細書に出てきた単語に、「assembly」というものがありました。「assembly」と言えば、複数の部品から成る1つの完成品というイメージがあり、そのまま「アセンブリ」と訳したり、「組立部品」などと言ったりします。しかし、この「アセンブリ」が、明細書に出てくる具体例(実施形態という)といまいち一致せず、なんとなく違和感を抱えたまま訳し進めていました。あるとき、何気なく原語であるドイツ語を見たところ、「assembly」に対応する単語は「Anordnung」でした。「Anordnung」はしばしば「arrangement(装置)」と訳される単語のため、結局、「assembly」という英訳を無視して、「Anordnung」には「装置」という訳語を当てることにしました。

なぜ、(ドイツ語→英語の)翻訳者が「Anordnung」を「assembly」と訳したのか分からず、また「assembly」と明示されているのに「装置」という訳語を当てることに抵抗もありましたが、まあ原語を確認して良かったという事例でした。

結局、原語であるドイツ語を直接日本語に翻訳する場合は間違いないものの、ドイツ語→英語→日本語の翻訳の場合、原語のドイツ語に遡って確認する必要もあり、二重に大変で、何よりやっぱり油断できないのが翻訳という作業なのでした。

新型コロナウイルスによる新宿御苑の臨時閉園

新型コロナウイルスの影響で、3月27日(金)より新宿御苑が臨時閉園しており、再開時期も未定です。ちょうど今、東京では桜が見頃なのに、新宿御苑に入れないなんて残念です。多くの観光客が落胆しているでしょう。

28日(土)、29日(日)は全国的に大荒れの天気となり、東京でも雪が降りました。3月に積雪はあり得るものの、28日は今年一(?)と思うほど寒く感じられました。せっかく桜が咲いているのに、新型コロナウイルスのせいで外出もできず、そうでなくても降雪で外出できず・・・なんて日でしょう。

人類の新型コロナウイルスとの長期戦が予想される中、新型コロナウイルスに一度感染してから回復した人から摂取した血液からの薬剤の開発が既に進んでいるそうです。一般に、日本の薬開発は海外に比べて時間がかかると言われていますが、この未知の脅威との戦いは日本経済に深刻なダメージをもたらすのはもちろん、既に市民は「コロナ疲れ」しており、一刻も早い薬開発が望まれます。日本の製薬メーカーの底力に期待です。

今日は兼ねてよりコロナ感染と闘病が伝えられていた有名人の訃報も伝えられました。このニュースには多くの人がショックを受けるとともに、新型コロナウイルスの恐ろしさを改めて認識したのではないでしょうか。
このウイルス、ニュースでは既に伝えられていますが、その進行が早く、一度重症化してしまうと、回復するのが困難なようです。最近まで若者なら重症化しないと考えられてきましたが、米国では20歳前後の健康な人が新型コロナウイルスの発症により亡くなっており、若者といえども油断禁物です。ましてや、中年以上は、中だるみしてきた新型コロナウイルス対策を再認識し、改めて手洗い・うがいなどの基本感染対策に立ち返る必要があります。

しかし、例年であれば、今頃は満開の桜を見物する観光客であちこちが賑わっているのですが、今年は残念で仕方ありません。桜、この時期しか咲かないのに・・・

新宿御苑は閉園ですが、特許出願は一日でも早い出願が必要であり、したがって特許事務所は営業しております。