特許権侵害と権利行使について~その2の続き~

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急発進防止装置を付けて高速道路を走る

Cさんの特許権をD社が侵害している可能性があったため、D社に対して警告状を送付することとなりました。

警告状は、その後侵害訴訟に発展した場合に、不意打ちで提訴したわけではなく相手に対してきちんと警告していたことの証明であり、また相手にそんな特許の存在を知らなかったと白を切られることを防止するものでもあります。

そして、後日D社からの回答がありましたが、そこには「D社製品は「ドライバーが急発進防止モードとノーマルモードを切り替える切り替えスイッチ」を備えていないため、侵害は成立しない」旨記載されていました。こちらとしては、この回答は予想通りのものでした。

しかしながら、D社製品を車に取り付けた状態で、アクセルペダルや車の電源スイッチなどを特定の順序で操作すると、急発進防止モードが解除されてノーマルモードに切り替わるため、切り替えスイッチが実質的に備えられていることになります。これをD社自身が認識していたかどうかは定かではないものの、2回目の警告状をD社に送付し、その中で特定の操作により急発進防止モードが解除されてノーマルモードに切り替わることを示すことにしました。

そして、後日D社からの2回目の回答がありましたが、そこには「運転中に、急発進防止モードを解除してノーマルモードに切り替えるために、一度停車して複雑なアクセルペダルや車の電源スイッチの操作をすることは現実的ではない。そもそも、切り替えスイッチは備えていない。」旨記載されていました。

残念ながらこちらとしては、これに対する有効な反論が見つかりませんでした。

D社製品は、いわゆる切り替えスイッチを有しておらず、一度急発進防止装置を車に取り付けたら、それ以降は急発進防止モードが適用されてしまうため、少し強く加速したり、坂道で少し強めにアクセルペダルを踏んだりしただけで、発進が抑止されてしまいます。そのため、ユーザからすれば使いにくい製品であるにもかかわらず、このような商品にとって重要な「切り替えスイッチ」という機能を欠いているため、特許の網にかからないという、なんともむず痒い結果となりました。

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